泌尿器科癌(がん)
泌尿器科の癌(がん)について
がんは全身のあらゆる臓器に発生します。泌尿器科も例外ではありません。副腎や腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道、陰茎、精巣などに生じ、進行すると命に関わります。多くの医療関係者や厚生労働省、地方自治体などが繰り返し情報発信している通り、がんは早期発見し、早期に適切な治療を受けることが極めて重要です。高齢者のがんは進行が遅いなどと言うまことしやかな嘘が広まっていますが、そんなことはありません。泌尿器科癌に罹患しても、初期段階では目立った症状が出ないことも多いので、定期的に泌尿器科を受診し、リスクを減らすように心がけましょう。
泌尿器科で扱う主ながん
- 副腎癌
- 腎癌
- 腎盂癌
- 尿管癌
- 膀胱癌
- 前立腺癌
- 尿道癌
- 陰茎癌
- 精巣腫瘍
前立腺癌
前立腺癌は進行が遅いケースが多く、癌特有の症状も比較的に少ないと言われています。そのため、癌が進行して膀胱や尿道を圧迫し、排尿トラブルや血尿などの問題が出るようになって初めて気づくことが多い疾患です。但し、定期的に前立腺癌検診(PSA検診)を受けていれば比較的早期の段階で発見できます。前立腺癌の発生メカニズムに関しては、詳細にわたって明らかになっている訳ではありませんが、食生活の欧米化や加齢、男性ホルモンの影響があると言われています。前立腺癌が進行すると、骨やリンパ節に転移したり、稀ではありますが下半身麻痺などの症状が現れることもあります。こうした自覚症状が現れたときは、一刻も早く泌尿器科を受診するようにしてください。
前立腺癌の治療法に関しては、手術、放射線治療、ホルモン療法などがあります。前立腺癌の治療を考える上では、診断時のPSA値と腫瘍の悪性度(グリーソンスコア)、病期診断に基づくリスク分類、患者様の年齢と期待余命、および患者様の病気に対する考え方などがポイントになります。
腎癌
腎癌は若年でも発生する病気です。初期の段階ではほとんど症状が現れません。古くは「腹部の疼痛」、「血尿」、「腹部のしこり」が腎癌の三大症状と言われてきましたが、現在この症状を主訴に受診することはほとんどありません。以前は見つけにくい癌と言われましたが、超音波検査やCT検査など検査技術の発達により、最近は1cm程度の癌も発見できるようになってきています。腎癌の治療法に関しては、手術療法や薬物療法が主な選択肢となります。近年ではロボット支援腹腔鏡下手術の発展に伴い、低侵襲治療が受けられるようになりました。また、凍結療法を行う場合もあります。癌の進行度や発生部位などをもとに治療を進めていきます。
膀胱癌
膀胱癌は、血尿を主訴に見つかることが多い癌です。多くの場合、初期段階では自覚症状はありません。また化学物質の暴露と関係があると言われており、これまでの職歴や住んでいた地域なども関係してくることがあります。膀胱癌は、膀胱鏡検査を行えば、ほとんどは診断がつきます。尿に癌細胞が出ていないかを調べる尿細胞診も有効な検査です。膀胱癌は進行が早いものが多く、適切な治療を受けることが大事です。
腎盂癌・尿管癌
腎臓で作られた尿を排出する経路である、腎盂・尿管・膀胱は尿路上皮(移行上皮)と呼ばれる粘膜で出来ています。ここに発生するがんを尿路上皮癌といい、腎盂癌・尿管癌の殆どが当てはまります。そのため、腎盂癌と尿管癌は一つのグループとして扱われ、治療法にもあまり差がありません。なお、腎盂は腎臓の一部ですが、腎癌とは性質が異なるため、別の疾患として扱います。尿路上皮癌に罹患すると、肉眼でもわかる血尿が出ることがあります。初期の段階では痛みや発熱を伴わないため、医療機関を受診せずに放置してしまう方もいますが、癌が進行すると治癒が難しくなっていきます。血尿が出たときは、出来るだけ早く医療機関を受診することが大切です。
精巣腫瘍(がん)
精巣腫瘍にかかる割合は男性10万人に1人程度とされ、比較的稀な腫瘍です。しかし、他の多くのがんと異なり、20歳代後半から30歳代にかけて発症のピークがあり、若年者で罹患するケースが多く見られます。精巣腫瘍の主な症状は、片側の精巣の腫れや硬さの変化です。しかし、多くは早期には痛みを伴わないので、かなり進行しないと気づかないケースが少なくありません。
また、精巣腫瘍は比較的短期間で転移を起こすため、転移によって生じた症状によって、もともとの病気である精巣腫瘍が見つかることもあります。転移した部位によって症状は異なり、例えば、腹部リンパ節への転移の場合では腹部のしこり・腹痛・腰痛などが、肺への転移の場合では息切れ・せき・血痰などがみられます。精巣腫瘍は進行が速く、転移しやすい特徴があります。そのため、精巣腫瘍が疑われる場合には、まず病気のある側の精巣を速やかに摘出する手術を行い、その際に取り出した組織を顕微鏡で調べながら治療方針を定めていきます。
血尿
「血尿」には、尿が赤くなっているのが目で見て分かる「肉眼的血尿」とご自身では気付かないが尿検査をすると分かる「顕微鏡的血尿」があります。
健康診断の際に「血尿」を指摘されるものの大半は、「顕微鏡的血尿」です。いずれの場合の血尿も、尿中に血液中の赤血球といういわゆる「赤い血」の成分が漏れ出ている状態です。尿中には赤血球がごくわずかしか存在しないのが正常とされます。
「顕微鏡的血尿」の場合、加齢性の変化や膀胱炎といった病気、あるいは尿路結石や泌尿器科悪性腫瘍(癌)などさまざまの病気のサインである場合があります。自覚症状はありませんので、早期発見のためにも泌尿器科を受診し専門的な診察を受ける必要があります。
「肉眼的血尿」は、明らかな異常です。口から血を吐いたのと同じくらいの異常事態です。何らかの病気の場合がほとんどですので、できるだけ早期に泌尿器科を受診し専門的な診察を受けてください。自然に治ったから大丈夫、ということはありません。実際には泌尿器科悪性腫瘍(癌)などの場合でも一時的に症状(血尿)が改善する場合が少なくありません。一度でも目で見て赤い尿が出た場合は様子を見ずに、速やかに受診してください。
tel.079-287-9188
- 院長
- 倉橋 寛明
- 診療科目
- 泌尿器科・女性泌尿器科・小児泌尿器科
- 住所
- 兵庫県姫路市日出町3-38-1東姫路駅前メディカルプラザ2F
エレベーターあり
無料駐車場145台 - 最寄駅
- JR神戸線 東姫路駅 徒歩1分